2017-01-11

「2017年宗教改革500年 カトリックとルーテルの共同声明」に学ぶ ⑹

本文から
●世界中のカトリックとルーテルの人々への呼び掛け
 わたしたちはすべてのルーテルとカトリックの教会員と教会に、わたしたちの前にある大きな旅を続けることに加わって、大胆であり、創造的であり、喜びをもち、希望をもつよう呼び掛けます。過去の争いよりもむしろ、わたしたちの間における一致という神の賜物が協働を導き、わたしたちの連帯を強めてくださるでしょう。キリストを信じる信仰において近付けられ、互いに耳を傾け合い、わたしたちの関係においてキリストの愛を生きることによって、わたしたち、カトリックとルーテルの者たちは、三位一体の神の力に心を開きましょう。キリストに根ざし、キリストを証しして、すべての人に対する神の限りない愛の信実の使者となるという定めをわたしたちは新たにするのです。


学び
 この声明は最後に今一度世界のカトリック教会、ルーテル教会の人々に呼びかけている。「争いから交わりへ」という一つの言葉(コンセプト)によって象徴的に現すこの両教会の歴史的取り組みが、単に一過性のお祭りに終わることのないように、それぞれの地域、社会のなかでこの信仰を証し、具体的な生活や世界の課題のなかで互いに神のみこころに生きることを支え合い、「愛の真実の使者」たるべく、自らを整えていこうとよびかけるのだ。
 それを可能にするのは、私たち人間の力によるのではなく、洗礼によって結び合わされた三位一体の神の力によるのだし、また私たちが生かされているキリストのいのちがこれを進めていく具体的な働きを産み出すという確信を伝えている。
 コリントの信徒への手紙1の12章に語られているように、一つの洗礼、一つの霊の賜物にあずかって一人のキリストの体として結び合わされている私たちが、キリストを証しするように生かされていく。それは神のみことばによる神ご自身の御業なのだから、大胆にこれに信頼をするように呼びかけるている。私たちは時に絶望しそうになることがたくさんある。政治的状況を見ても、環境の問題においても、とても解決できそうにない課題を目の前にみているのだ。しかし、神が決してあきらめることなく私たちに働いていてくださる信仰に立つとき、私たちの中に新しい希望が与えられる。
 信仰と希望と愛をキリストにいただくことから、歩み続けるようにと呼びかけることばで締めくくられているのだ。



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