2014-10-24

カトリック・聖公会・ルーテル 合同礼拝

 2014年11月30日(日)待降節第一日曜日の午後5時から、カトリック教会と日本聖公会、そして日本福音ルーテル教会の合同礼拝が行われる。これは、カトリック教会が第二バチカン公会議(1962〜65)において公にした「エキュメニズムに関する教令」からちょうど50年目に当たるということで、カトリック教会がかねてエキュメニカルな対話を重ねてきている二つのプロテスタント教会に呼びかけ、協働の準備委員会を組織することで実現の運びとなったものだ。


こうした教会間の交わりは、単に仲良くしているということや協力をするということを超えて、本来、キリストの教会として一つであることをどのように見える形で実現していけるのかということを追い求めるエキュメニズム(教会一致運動)のなかでつくられてきている。
 16世紀のルターの宗教改革を皮切りとして、それまでローマ・カトリック教会という一つの教会であったものが分裂をし、それぞれ信仰的な主張と、歴史的・地理的・政治的要因から別々の教会として存在するようになった。ローマ・カトリック教会はただ一つ、キリストの教会は自分たちのみで、他は異端として退け、基本的にはプロテスタント教会はキリストの教会とは認められて来なかった。しかし、20世紀の半ば、第二バチカン公会議においては、そうした過去のカトリック教会の見解を大きくかえることがたくさん表明されたが、プロテスタント諸教会に対しても「」とよんで、この存在を認め、交わりを持ち、信仰を確認し合う様々な取り組みをするようになったのだ。
 エキュメニズム教令は、いわば現在のキリスト教会のエキュメニズムを考えるときに画期的な文書であり、またこれによって、具体的な教会の交わりや話し合いがつくられてきたのだ。
 日本でも、この交わりが具体化してこれまでも幾つもの成果を生み出している。世界のルーテルとカトリックの間では、1999年10月31日に「義認の教理に関する共同宣言」が調印され、同時にアウグスブルクの教会で合同の礼拝が行われた。それから5年後2004年にその「共同宣言」の日本語翻訳版が出版されたが、その際に四谷のイグナチオ教会のマリア聖堂でカトリックと日本福音ルーテル教会との合同礼拝が行われ、300人の会場があふれて入れないほどになった。2008年、カトリックと日本聖公会も『マリア――キリストにおける恵みと希望』の邦訳刊行を記念して、合同礼拝をおこなった。実は同年、日本聖公会と日本福音ルーテル教会の間でも『共同の宣教に召されて』という、これは欧米でのルーテルと聖公会の合意文書の翻訳のものが出版されて合同礼拝が行われている。
 そうした日本でのエキュメニカルな運動が具体的な二教会間では進められてきたのだが、今回は、初めて三教会合同での礼拝となる。
 この三教会の合同の礼拝は、世界でも例はない。日本の教会がそれぞれに積み重ねてきた対話と礼拝の実績が大きな力になって実現したものだ。
 世界のエキュメニカルな交わりと礼拝という側面では、1982年のリマ文書、及びリマ式文の成立ということが最も大きな出来事で、その時にはカトリックも含めて多教派間での交わり、礼拝も世界では行われたかもしれない。しかし、合同礼拝はそれほど多くは実現しなかったのが実際のところだろう。その後は、二教派間の交わりは世界各地ですすんできたけれども、それ以上には広がってきていない。そういう実情のなかで、今回の三教会合同の礼拝は非常に意義深いものだといえよう。
 礼拝の説教はルーテルの徳善義和牧師。日本のみならず世界でルター研究並びにエキュメニカルな対話において長くご貢献くださっている先生にお願いすることができた。
 礼拝に先立ち、シンポジウムも行われる。カトリックの光延一郎先生、聖公会の西原廉太先生、そしてルーテルからは石居基夫がシンポジストとしてこのことの持つ意味を学ぶ。司会は江藤直純先生。
 

2014-10-10

ルター研 秋の講演会 2014

今年もルター研究所の秋の講演会が下記のように予定されている
日時:2014年11月9日午後4時〜
場所:日本福音ルーテル本郷教会
テーマ:「宗教改革500周年とわたしたち」第二回
講演は、ルター研究所所員のお二人。
高井保雄氏には、ルターの主要な著作の一つである「小教理問答」についての長年の研究から「教理問答とその時代」と題して講演をお願いしている。
また、ティモシー・マッケンジー氏には、500周年を直前にして、今から百年前はどのように宗教改革400周年をむかえたのか、その歴史資料研究から「日本の宗教改革400年記念…希望を与える記憶」と題して講演をお願いしている。