2015-02-28

2015年 教職授任按手礼拝

今年2015年、日本福音ルーテル教会には4名の新しい牧師が誕生する。明日、3月1日は、そのための按手礼拝が日本福音ルーテル教会の宣教百年記念東京会堂で行われる。



今年、日本ルーテル神学校は5名の卒業生を送り出すが、そのうちの4名が日本福音ルーテル教会の牧師となる。それぞれ、1月に行われた教職試験と任用試験を合格し、2月の常議員会で任地を与えられた。甲斐友朗氏は日本福音ルーテルシオン教会、関満能氏は、日本福音ルーテル水俣教会・八代教会、渡辺高伸氏は日本福音ルーテル新霊山教会、渡邉克博氏は日本福音ルーテル浜松教会・浜名教会へと赴任する。

今年は、定年を迎えられた牧師が5名であったから、4名の卒業でも間に合わない計算だ。これから10年ほどは、牧師の大量引退時代。卒業はおそらく年平均で2.5名くらいだろうか。教会・神学校は共に協働して、次に牧師となる人材を育てなければならない。

日本ルーテル教団の神学生、笠原光見氏は3月8日に教団の神学院卒業式を迎え、4月からは日本ルーテル教団浦和教会へと赴任される。合わせて、祈りに覚え、支えていただければと思う。


2015-02-23

『争いから交わりへ』

 ルーテル世界連盟(LWF)とカトリック教会が2017年の宗教改革500年を共に記念するために、両教会の世界規模の合同委員会が議論を重ね、昨年その成果を一つの形として文書にし発表した。1999年に両教会は「義認の教理に関する共同宣言」を公に調印して、キリスト教界にエキュメニズムの新しい時代の到来を示したが、さらに具体的に両教会の協働が合同の礼拝をもって続けられるように、宗教改革500年が覚えられることは本当に画期的なことだ。その基礎となる文書なだけに、この書がいち早く日本語に翻訳出版された意義は大きい。


http://www.kyobunkwan.co.jp/publishing/archives/16965

翻訳チームの一人として加えられたが、元訳を鈴木浩先生がいち早くつくってくださり、それをもとに、カトリック教会と日本福音ルーテル教会からの代表が半年以上をかけて出版に向けて翻訳を丁寧に造り上げた。
 本来、1517年の宗教改革は、M・ルターが「贖宥の効力に関する95ヶ条の提題」を公にして、いわゆる「免罪符」(贖宥券が正しいが、免償符でもよい)の問題をきっかけにカトリックに対して改革を呼び掛けた教会運動だった。けれども、結果的にはそれまでのカトリック教会の一致を分つことになったわけだから、プロテスタント教会にとっては自分たちのアイデンティティーを示す記念、祝いの気持ちを持つかもしれないが、カトリック教会からすればこれは少しも喜ばしいことではない。だから、この日は一緒に「祝う」(celebration)はできない。「記念する」(commemoration)という言葉遣いだ。
けれど、いずれにしても、福音を世に伝えるとう使命と喜びを確認し、歴史的な断罪を改めた両教会が協働・共同する世界への宣教のコンテキストを意識して取り組まれていることは本当に意義深いことだ。
 この文書は、両教会がそれぞれの歩みを神学的に検証しつつ、新しい世紀への教会の在り方を示そうとしていると言ってよいだろう。
 神学生には必読の書。

内容は下に目次を紹介する。
ルターの宗教改革的神学主張が、カトリックとルーテルの双方からの視点を合わせつつ評価を加えて確認されている。詳しく検証される必要があるが、こういう文書が共同で出せるというところが今の新しい時代を象徴するできごとだと思う。そして、なにより大事なことは、新しい時代にむけたエキュメニカルな責務を明らかにしていることだと言えるだろう。



第一章
エキュメニカルでグローバルな時代に宗教改革を記念する(4−15)
第二章
マルティン・ルターと宗教改革を見る新たな視点(16−34)
第三章
ルターの宗教改革とカトリック側からの反応に関する歴史的描写(35−90)
第四章
ルーテル教会とローマ・カトリック教会の対話に照らして見た
マルティン・ルターの神学の主要テーマ(91−218)
第五章
共同の記念に召されて(219−237)
第六章
五つのエキュメニカルな責務(238−245)

神学校の夕べ 2014年度

2014年度神学校の夕べが昨日行われた。あらかじめのご案内にならず、報告となってしまったが、記録したい。


今年は、五人の卒業生を送り出す、神学校の夕べとなった。ポスターの順とは異なるが説教順に紹介したい。甲斐友朗(JELC賀茂川教会出身)、笠原光見(NRK中越教会出身)、関満能(JELC三鷹教会出身)、渡辺高伸(JELC雪谷教会出身)、渡邉克博(JELC東京教会出身)。5人のうち3人が都内の教会の出身であり、またNRKの学生が卒業になるということも重なって、およそ270名を超えた方々が祝福に駆けつけてくださった。また、遠く九州からお祝いに駆けつけてくださった方もあった。それぞれの地でも覚えていただき、祈りを合わせてくださって、祝ってくださっている方々があることにも感謝したい。

「賜物」という一つのテーマを選び、それぞれが別々の聖書箇所を取り上げてみことばを取り次いだ。自らの献身、召命の歩みから語りだされる説教は力強く、福音に生かされた恵みが伝わってきた。また、卒業してそれぞれ遣わされていく宣教へのあつい思いがあふれていた。
 それぞれの派遣教会も決まっている。甲斐さんは日本福音ルーテルシオン教会、笠原さんは日本ルーテル教団浦和教会、関さんは日本福音ルーテル水俣教会、八代教会、高伸さんは日本福音ルーテル新霊山教会、そして克博さんは日本福音ルーテル浜松教会、浜名教会。
 それぞれが刻んできた神学校と教会での学びと研鑽の歩みが、こうして主によって豊かにされ、新しい教会の歩みに重ねられていく幸いを、共に喜び、祝うことができた。
 個人的には、私も校長となって最初の神学校の夕べであって、この喜びを集まってくださった皆様とまた全国の教会の方々と分かち合えたことが、本当にうれしかった。
 祈り、支え、育て、また召してくださるのは、それぞれの教会、そして、そこに働いてくださる主ご自身であることを改めて心に受け止めている。感謝。