2012-09-08

一日神学校「ルターの詩編と祈り」


今年の一日神学校は、9月22日の土曜日。
久しぶりに講義を担当。今回のテーマは「ルターの詩編と祈り」
ルターにとって、聖書の中でも詩編は信仰のための特別な書。ルターが大学で初めて学生に講義を担当したときに選んだのがこの詩編であった。1512年から準備を始めて、翌13年から講義を行う。おそらく、もっとも身近で、親しんだ書であったろう。そして、この詩編との取り組みの中で、次第に当時彼が学んだ神学的な考えから宗教改革的な神学への転換がおこってくる。それは、なにか机の上で繰り広げられる神学研究等ではなく、彼の心の中の葛藤であったといえるだろう。ルターにとって、聖書との取り組みが、もっとも実存的な深みの中で繰り広げられたのはこの詩編という書物であったのだ。

彼の宗教改革的神学は、この詩編講義にその萌芽を見、やがてローマ書講義においてはっきりとした表現をとることになる。
今回は、ルターにとってなぜ詩編がそれほど重要であったのか。その秘密に迫ってみたい。「神のことば」によって生かされるルターの神学の深みに、「ことば」以上の「ことば」があったと改めて考えさせられている。