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2021-09-10

2021・一日神学校 『その人を支え、ともに生きるために〜「総合人間学」とは〜』

オンライン「一日神学校」へのお誘い

 

今年もルーテル学院は「一日神学校」をオンラインで開催いたします。日時は、923日午後1時半から、配信方法は、Youtubeでの限定ライブ配信となります。テーマは、『その人を支え、ともに生きるために〜「総合人間学」とは〜』

 




昨年、新型ウイルスの猛威に襲われて以来、いまだに感染防止の大原則の中で、教会の礼拝も活動も大いに制限をされています。ルーテル学院でも大学、神学校ともに、学生は基本的には午後の時間だけキャンパスで授業を受けますが、オンラインでの授業も多く、またサークルなど学生活動も制限されたなかで学びを続けています。

こうした今のキャンパスの姿も知っていただくことも含めて、何よりここに集う交わりにこそ「一日神学校」の喜びがあることを思うと、三鷹に皆さんをお招きしたいのです。しかし、感染の状況はやはり深刻で、東京の緊急事態宣言等もいつ解除されるのかわからない現実を踏まえるならば、今年も「一日神学校」はオンラインでの開催とせざるを得ないと決断するに至りました。


現在、このURLで限定公開されています。

https://www.youtube.com/watch?v=n7yVPKuUJ8k


ルーテル学院大学が社会福祉教育を始めたのは1976年、今からちょうど45年前のこととなります。当時の間垣洋助学長は「福祉の仕事は、元来キリストがおこない、また弟子たちにこれをなすように命じた、教会の負うべき重大な使命」と受け止め、福祉分野への人材育成が神から与えられた使命としてこれ担うと言われました。もちろん、ルーテル教会が日本での宣教の始まりの時から、教会とともに福祉施設を作り、困難を持つ方々を支える使命を担ってきた取り組みがこの言葉を裏付けます。そして、この教育を支えるものは「神の愛された人間」についての福音的理解にあるのだと思います。社会福祉、臨床心理と大学の教育研究の領域が広がる中で、対人支援の専門教育において「総合人間学」と呼ぶものが求めていくところを、今年の「一日神学校」を機会に、共に問い学びたいと思っています。


開会礼拝に始まり、シンポジウム「ルーテルの総合人間学とは何か?〜共生の羅針盤を求めて〜」、そして、「神学生による神学校紹介」の三つのプログラムとなります。詳細や参加の方法などは学校のHPや別途ご案内をご覧ください。

皆様のそれぞれのご参加をお待ちしております。


(機関紙『るうてる』2021年9月号より


ルーテル学院の教育と研究は、皆さんによって支えられます!

後援会を通して、皆さんの思いをお届けください。

⇩⇩

https://www.luther.ac.jp/college/donation/



2017-02-06

ルーテル学院大学 福祉教育40年…!

 1976年、日本ルーテル神学校神学部神学科のなかにキリスト教社会福祉コースが誕生した。2016年度は福祉教育40年目の記念の年だった。また1987年にこのコースが社会福祉学科へと改組されたので、今年2017年は学科設立30周年の年でもある。
 下記のように、ルーテル学院では、この福祉教育40周年を記念した特別な企画を計画している。実は、同時に学科設立の年から本学教員として働いてくださった西原雄次郎教授の定年退職も重なり、同日は先生の最終講義と感謝の会も同時に行われる。

☆「ルーテル学院大学社会福祉教育40周年記念会」
                    「西原雄次郎教授・最終講義」のご案内
   http://www.luther.ac.jp/news/170110/index.html
 
 日時:2017年2月11日(土)14:00−19:00 
 場所: 最終講義・40周年記念会   ブラウンホール2階252教室
     懇親会           トリニティホール2階264教室

          
(写真は社会福祉が学科として立ち上がった1987年度の日本ルーテル神学大学・神学校入学式)

 ルーテル教会が日本宣教をはじめたその時から、教育と福祉は教会が日本社会のなかに先駆的に導入していかなかければならない大切な分野として取り組まれてきたといってよいだろう。20世紀の早い時期から九州学院、九州女学院といった学校を建て、また高齢者や孤児、障がいをもつ人たちへの福祉事業を慈愛園においてはじめ、さらに全国の教会で幼稚園や保育園、また社会福祉の取り組みを行ってきた。そうした福祉分野での実績があり、現場をもっていたルーテルだからこそ、クリスチャンワーカーを育てることを使命と考え、牧師養成の神学校の枠を広げて教育を実現してきた。
 社会福祉が慈善事業という印象が強く残っていた時代であったけれども、福祉社会を内実化していくためにソーシャルワーカーの必要性を強く認識し、単なる座学ではない実践・実習教育を重んじた専門教育に取り組んだのだ。以来、その教育の特徴は一貫しているが、クリスチャンワーカーという枠に留まらず、むしろこの社会全体に必要な福祉を担い、公共的社会へ貢献する人材教育をねがって福祉教育を進めてきたのだ。
 一つの節目を迎えて、これからの日本また世界にはますます必要な人材育成の教育であると思う。
 当日は、本学の歴代の福祉に関わってくださった教職員もおいでいただける。すでにそれぞれの分野で働いてきてくださっている卒業生の方からもリレートークをいただく。
 皆さんと共に、この記念のときに、改めてルーテルの教育の大切な使命をおぼえていくものでありたい。

2013-10-06

「看取りの心と場」

毎年開催される、ルーテル学院大学、コミュニティ人材養成センター主催の講座「いのちの倫理と宗教」。今年の主題は「看取りの心と場」です。

http://www.luther.ac.jp/news/130919/index.html

 「ホスピス」など終末期医療ということが注目されるようになって、死と向かい合うということが特別に意識されはじめたのは、80年代の終わり頃からでしょうか。90年代、山崎医師による『病院で死ぬということ』が出版され、某テレビ局アナウンサーが自らガン闘病を公にしたことも「死」と向かい合うこと、最期をどのように「生きる」のかという課題、その可能性を広く考えさせる事にもなったように思います。かつては、家で家族に見送られて死ぬことが当たり前だったかもしれませんが、現代は病院で最期を迎えるということが一般的であればこそ、そのあり方について改めて問い直すということになってきたのです。
 しかし、近年はまた逆に病院で死ぬという事ばかりが選択肢ではなく、ホスピス的なことも含めて在宅での終末期のケアを実現することや、住み慣れた施設のなかで最期をすごすというような取り組みも多く見られるようになって来ました。超高齢化社会は、すべての人を病院で看取るほどの余裕もないからこそ、今一度、生涯の終わりを日常の延長のなかで迎えられるような仕組みが考えられているという事かもしれません。
 そこで、こんにちは「看取り」ということも多様な「場」が考えら得れるということになってきました。そうしたそれぞれの「場」において、本人、家族の中にどういう心の状態が見られるのか。そのことにどのように寄り添い、また援助する事ができるのか。そういった問題を考えてみたいと思っています。
 講師には、医師であり牧師である黒鳥偉作氏、ホスピスでソーシャルワーカーとして働く吉松知恵氏を迎え、江藤直純神学校長と私、石居も加わって一緒に考えていきます。
11月18日までに申し込みを!



2011-12-12

熊沢義宣『キリスト教死生学論集』

キリスト教的視点に立って「いのちと死」について学んでみたいという人には、必読の書。
     
              

内容は二部構成で、前半第I部が「キリスト教死生学」、後半は「福祉の神学」についてと二つのテーマを深めているわけだが、どちらも神学的な人間理解のうえに成り立っている。
「キリスト教死生学」では、石原謙、金子勇男を手がかりにしながら、ルターの「死の理解」に深く学び、キリスト教における「死」の問題を教義学的に学ぶ試論に始まり、しかし、同時に現代の「心の病」の問題や生命倫理、あるいは「ターミナルケア」の課題など実践的にも深くまた幅広く考察されている。熊澤先生本人が病床にあって書かれたエッセイも含まれていて、人生の大問題としての「死」と向かい合う信仰者としてのまなざしに学ぶべきは多い。特に、「罪」と「死」の関係、また、その救いとしての十字架と神の愛について語られる言葉は、紋切り型の叙述ではなく、「いま、神学する」ということの意味を深く受け止めさせてもらえる。
「福祉の神学」は、長年の「ディアコニア」研究に裏打ちされた叙述で、キリスト教社会福祉とは、何かということを深く教える。「愛のボディーランゲージ」や「救いのパントマイム」といった表現のなかで、「福祉」が信仰に生かされた者が人間として共に生きる喜びを分かち合い、他者に奉仕する務めと理解される。さらに言えば、社会のなかで弱い存在は、その弱さ故に「宝」であり、人間世界を「競争社会」から「共存社会」へと変える特別な役割と価値を与えられ、祝福されていると論じる。
キリスト者として、「福祉」に生きることの基本を教えられる。

(書きかけのままにしてあったもの、書きあげて、公開しました。2013.9.05)