2013-12-27

首相の靖国参拝に抗議! (更新8、2014・2・20)

安倍首相は、2013年12月26日に靖国神社への参拝を強行した。
 
 首相の説く「積極的平和主義」の実現を目指している一連の動きのなか、「やはり」と思ったが、この暴挙にも断固反対する。

 M. ニーメラーの後悔*を繰り返してはいけない。それぞれの時と所で、声をあげていくべきだと思う。

若い学生たちにも考えてもらいたいのだ。
 今の若い人たちは、政治に興味を持たないといわれる。しかし、本当にそうだろうか。情報の入り方が今までとは違う。SNSなどを通じても時事問題に結構いろいろな意見が挙げられて、受け取っているし、考えているのではないか。そういう中で、しっかりと自分の考えを持ってほしい。自分の頭とことばで生きてほしいと思っている。今なら、間に合う。二度と戦争をする国をつくってはいけない。それが、歴史のなかで多くの戦争のためにいのちを落とした人々の魂とともに、平和に向けて生きる、唯一の道ではないのか。

今回の、安倍首相の行動。
 
 もちろん、現在の外交上、国際世論の中、孤立化する最悪のタイミングであることもその理由としてあげられようが、何よりも、靖国は意図としても結果においてもアジア侵略をすすめた天皇制軍国主義による先の戦争の精神的な支柱であり、その戦争においてA級戦犯となったものを含む「英霊」がまつられている神社であることを考えなければならない。つまり、何か戦没者の慰霊の施設などではなく、はっきりと大日本帝国が国のために犠牲となるように国民を教育し、鼓舞し、強制する戦略のためつくられた宗教施設だった。
 確かに「靖国で逢おう」という合い言葉によって、多く若者が戦地に赴いた。それは美談として語られるべきものではない。赴かざるを得ないように洗脳されたと言ってよいし、そうしなければ、社会的に生きられない状況が作り出されていたのだ。いわば、そうした戦争推進のために英雄伝説を現実に描いてみせたのが靖国神社の実態といえるだろうか。
 今は、もちろん国家の施設などではなく、一宗教法人に過ぎない。
 この靖国を首相が参拝するということがどういうメッセージになるかは、自明のことだ。単に政教分離の原則に抵触するということばかりではなく、そのことも含めて、先の戦争を推進したイデオロギーに対しての肯定、復古を懸念されるのは当然だろう。かつて、小泉純一郎元首相は参拝を個人的な「心」の問題だと言い放った。安倍首相はこれによって「中国、韓国の人々を傷つけるつもりはない」という。首相である以上、そういうことばでごまかしは出来ないのではないか。
 過去の歴史認識の上にたって、何をしてはいけないかということが分からないというのなら一国の舵を取るものとしての資質の問題だ。しかし、おそらく、そんなことが分からないはずはない。その意味を理解して、なおこれを行っているから最悪なのだ。

 この道の行き着く先には、日本を再び戦争の出来る国としようとするあからさまな意図が見えている。特別秘密保護法の制定、首相の靖国参拝、沖縄の米軍基地辺野古移設決定とつづいた。すぐに愛国心を養う教育問題に介入する。改憲論を持ち上げ、9条をなし崩しにする。自衛隊を軍隊にする。やがて徴兵制もありか。これが、積極的平和主義という名前のもとに、一方では意図して国際的緊張を演出して、世論的にも右傾化を呼びこんで、大きな流れをつくる意図だろう。経済的な上昇気流がなお衰えを見せていない今のうちに、急速に舵をきった安倍首相の本音は、いったい、いつの「日本を取り戻す」ことなのかは明らかではないか。

カトリック教会は日本カトリック正義と平和協議会の名前で、いち早くこの安倍首相の行動に抗議声明を出している。(12月26日)
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/cbcj/131226.htm

いずれNCCも抗議声明をだすだろう。
ここに今後の動きも更新していこう。
NCCは年末ですぐには動けないか?

日本バプテスト連盟は、以下の抗議文を理事長名で出した。(12月28日)
http://www.bapren.jp/uploads/photos/685.pdf

日本同盟基督教団も、「教会と国家」委員会名での抗議声明を出しました。(12月29日)
http://jpnews.org/pc/modules/mysection/item.php?itemid=742

日本ホーリネス教団が、教団委員長並びに福音による和解委員会委員長の名前で抗議声明を出しました。(12月31日)
http://jpnews.org/pc/modules/mysection/item.php?itemid=745

日本長老教会は社会委員会委員長名でいち早く12月26日の首相の参拝合わせてに抗議声明を出していました。(12月26日)
http://jpnews.org/pc/modules/mysection/item.php?itemid=741

日本キリスト改革派教会は、教団と代表役員・大会議長の名前で抗議声明を出しています。(12月30日)(1月27日に確認)
http://www.rcj-net.org/statement/statement_against_prime_minister_2013Dec30.pdf

日本キリスト教協議会、NCCが議長書簡を首相宛に出したことを公にしました。
(1月27日) (1月29日に確認)
http://ncc-j.org/uploads/photos/117.pdf

日本YWCAは、首相の参拝と同日に抗議声明を出していました。(2月20日確認。遅くなったことお詫びします。)
http://www.ywca.or.jp/pdf/201312261.pdf

日本キリスト教会も、参拝の翌日、靖国神社問題特別委員会委員長名で抗議を明らかにしています。(2月20日確認、遅くなりました。)
http://jpnews.org/pc/modules/mysection/item.php?itemid=746



*マルティン・ニーメラー牧師がナチズムの横暴に抗し切れなかった自らを悔いたことばとして、知られる。(下記参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%BC%E3%82%89%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%88%9D%E5%85%B1%E7%94%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E3%82%92%E6%94%BB%E6%92%83%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%8D

1 件のコメント:

  1. NCC議長の書簡は、他の声明や抗議文と、内容的に大きな違いはないと思いますが、書簡ということのためでしょうか、その書き方・表現は独特ですね。

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