2014年2月に予定されている今年度の教職神学セミナーのテーマは「礼拝改革―変えるべきものと守るべきもの」だ。
2000年代に入ってから、日本でも「礼拝学」関連の本が次々と発行され、礼拝についての関心が再び高まってきている。それはまた、プロテスタントの各教派で様々な礼拝刷新、新式文の作成などの動きとも関係している。
こうした傾向は、もともとは19世紀後半から20世紀のあいだにカトリックを中心として起こってくるリタージカル・ムーブメントの大きな流れの中から起こってくるものと考えられよう。その大きな成果は第二バチカンにおける典礼憲章(1963)にも結びつく。また、プロテスタント教会にも大きな影響を与えることとなっている。
このリタージカルムーブメントの起こりは、はじめカトリックの中世的伝統の確かな継承ということにあったと言えるが、古代教会における諸々の文書の発見と研究が、やがてより古い伝統の回復へとなっていく。そのことが逆にエキュメニカルな礼拝改革運動へと展開していくことにもなったと言えよう。
こうした礼拝改革の動きは、しかし、そうした「古代」の伝統の回復という衣をまといながら、むしろそのことの中で確かな「現代」への対応が進んでもいる。そして、そういう礼拝が私たちの信仰の内実に深く影響を与えていることを無視できないし、また逆にそれだからこそ、今回復や強調が必要な礼拝の実践ということもあるだろう。
例えば、聖餐のパイエティというものの回復はその典型だ。礼拝の中心としての聖卓の回復が起こり、同時に信仰の交わりの祝いが回復される。それは、現代における宗教的個人主義の時代には、とりわけ大切な視点だと言ってよい。その流れの中で信仰の道筋や罪の自覚と赦しのパイエティにも変化が起こっていることも確認されよう。大変具体的な課題だからこそ、無自覚に流されるのではなく、その変化が何を意味しているのか確認が必要なのだ。
そこで、こうしたエキュメニカルな礼拝改革の流れの中で、プロテスタンティズム、あるいはより具体的にルター派神学ということをどう捉え、またそのことから礼拝をどのように考えたら良いのかということが今一度確認される必要がある。そして、この礼拝改革の流れには、漫然と流されるのではなく、主体的に道筋を見いだしていかなければならないと思う。
第48回教職神学セミナーでは「礼拝改革―変えるべきものと守るべきもの」とテーマを設定し、私たち自身の礼拝への取り組みそのものを問い直してみたい。
2014年の2月10~13日、ルーテル4教会・教団の教職の継続教育プログラムとして行われる。
プログラム
返信削除一日目(2/10)
14:00 受付
15:00 開会礼拝・オリエンテーション
15:30 基調講演「ルターの礼拝改革」石居基夫
17:00 参加者による発題
18:00 チェックイン
二日目(2/11)
08:45 朝の祈り
09:00 講演「カトリック教会の礼拝改革」宮越俊光氏(日本カトリック神学院)
10:30 休憩
10:45 講演「聖公会の礼拝改革」笹森田鶴氏(聖公会聖アンデレ教会牧師)
12:15 昼食
13:30 講演「日本キリスト教団の礼拝改革」吉岡光人師 (教団吉祥寺教会牧師)
15:00 休憩
15:30 教会見学
18:00 夕べの祈り
三日目(2/12)
08:45 朝の祈り
09:00 講演「ELCAの礼拝改革」マッケンジー氏
10:30 休憩
10:45 講演「日本のルーテル教会の式文改訂」平岡仁子氏
12:15 昼食
14:00 分団協議
15:30 休憩
16:00 全体協議
18:00 夕べの祈り
四日目(2/13)
08:45 朝の祈り
09:00 総括「セミナーでの学びから見えて来た私たちの課題」江藤直純氏
全体協議
11:00 閉会・聖餐礼拝
12:00 昼食・解散