徳善義和先生による解説は、おそらく神学校の「信条学」の講義ノートがもとになったものだろう。充実したその内容は、神学生にとってはルーテル教会の神学の基本の基を学ぶには最適だ。ルーテル教会の信仰理解と言うことばかりではなく、その成り立ちを考えてもエキュメニカルな神学の基礎として今日改めて評価をしながら、新しい歩みを築いていく基礎ともなろう。
1980年がアウグスブルク信仰告白450年だった。その前年にこの新書判が発行されている企画にも意欲を感じないではいられない。1983年のルター生誕500年を経て、ローマ・カトリック教会との対話はさらに深まり、1999年の「義認の教理に関する共同宣言」の調印にまで進んだ。宗教改革500年を目前にして、今一度この信仰告白の研究と評価が求められよう。
ルーテルの神学生には、もちろん必読中の必読書。既に手に入る状態ではないから、古書店で見つけたら、躊躇せず買ってほしい。再販が企画されるべきか。むしろ、データにして、アップし、共有できるようにしておくと良いのだが…。
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