経済学者、大塚久雄の講演・対談などを集め編んだもの。出版から30年を経ても、現代を捉える視点は示唆に富んでいる。高度経済成長を遂げた日本社会の「精神的貧困」を目の当たりにして、生きることへの真摯なあり方を率直な言葉で語っている。別の著作には、「意味喪失の時代」について語ったものもあるが、この著作の中にも、そうした時代の中に生きる私たちにとって何が本当に求められるのか。あるいは、聖書が何を語っているのかということを丁寧に語りかけている。
この本も、大学生の時に手にとって読んだ。キリスト者として社会科学者として生きる筆者の誠実な言葉に目が開かれた経験を思い出す。矢内原忠雄、森有正、湯川秀樹、内田義彦らとの対談も読みごたえがある。
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