2011-06-03

2011年ルターセミナー

今年のルターセミナーは5月30日から6月1日まで、例年通りの三浦のマホロバマインズで、「宣教」をテーマに開催された。
私の発表は「義認論と現代人の魂の求め―現代日本の宣教的 課題とルター主義」。今、日本というコンテキストの中で、ルター主義に立つ私たちはどのようなメッセージを発信するのか。福音を生きた神の語りかけとして時代の中で一人ひとりの心に受け止める信仰と神学を表したルターの伝統に立つことを今改めて問い返しつつ、今日の宣教を考えたいと、発表したもの。
この発表原稿は、もう一度書き改めて論文としたい。


https://docs.google.com/document/pub?id=1QwMrtcRF1mAONwbneHjQab2Y2uDqKZJuk9LcPj5LMRM

現在、考えていることを率直に言葉にしていきたい。

2011-05-08

大学生への推薦図書⑦ ヴァイツゼッカー 『荒野の40年』

歴史に生きる私たちが、この歴史の中で何を心に刻むのか。
戦後40年という節目に、ドイツの大統領が語った演説。
今年、戦後66年目に、私たちは改めて歴史を心の刻むということの大切さを知らされている。あの原爆の恐ろしさを体験したことは、いったいなんだったのか。ただ、国と国との戦争とか敗戦という視点ではなく、人間、科学信仰、経済優先の社会、人間の権力などが何を生み出していくのかということを見通していく眼差しが歴史をしっかりと見つめること。その時にかたるべき言葉は何かが考えさせられる。



自分が神学大学に進んだ年。1985年のもの。今年、改めて読んでみて、新鮮な響きをもった。

2011-05-02

大学生への推薦図書⑥ レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

自然と人間の関係を考察するのには欠かせない一冊。
現代の生活の中に用いられる化学薬品がどれほど自然を破壊し、いのちを脅かすものか。その恐ろしさを突きつけられる。



この本も高校時代に生物の先生に勧められたものだった。もう古いと言われてしまうかも。

2011-04-28

大学生への推薦図書⑤ プラトン 『ソクラテスの弁明』

ギリシャ哲学の古典、プラトンの作品。「汝自身を知れ」、「無知の知」などの言葉で知られるソクラテスの思想と活動の内容をよく伝える一冊だ。対話の中からより真実なものへと向って尋ねて求めていくソクラテスの手法に、理性をもって考えるということあり方について知らされる。
ギリシャ哲学が、世界の成り立ちを探ってきた自然哲学から、人間自身を問い、真善美を求める価値や生き方の問題へと転換していく出発点となったソクラテスを味わえる。




高校の「倫理」の授業で読んだのがはじめの出逢い。近年、哲学入門の授業を担当して改めて読み直した。古典として是非目を通してほしい。

2011-04-20

大学生への推薦図書④ V.E.フランクル『夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録』

筆者自身のアウシュビッツの経験を、精神医学者としての書き記したもの。人間が非人間的に扱われ、生きる希望を奪い取られ、人間ならざる者となっていく様が克明に観察される。その現実の只中で、なお人間として生きるために何が必要なのか、どんな可能性が人間にはあるのか。私たちの生きることの深みを探っていく道案内となる。



今も、授業では必ず取り上げる一冊。
霜山先生の翻訳は格調があるけれども読みにくいという方には、新訳が出ている。

2011-04-16

大学生への推薦図書③ 大塚久雄『生活の貧しさと心の貧しさ』

経済学者、大塚久雄の講演・対談などを集め編んだもの。出版から30年を経ても、現代を捉える視点は示唆に富んでいる。高度経済成長を遂げた日本社会の「精神的貧困」を目の当たりにして、生きることへの真摯なあり方を率直な言葉で語っている。別の著作には、「意味喪失の時代」について語ったものもあるが、この著作の中にも、そうした時代の中に生きる私たちにとって何が本当に求められるのか。あるいは、聖書が何を語っているのかということを丁寧に語りかけている。



この本も、大学生の時に手にとって読んだ。キリスト者として社会科学者として生きる筆者の誠実な言葉に目が開かれた経験を思い出す。矢内原忠雄、森有正、湯川秀樹、内田義彦らとの対談も読みごたえがある。

2011-04-15

大学生への推薦図書② 岡本夏木『子どもとことば』

「ことば」をもつということが、人間を人間たらしめるとさえいわれるが、いったい「ことば」とは何か。子どもの発達過程の中で「ことば」がどのように獲得されていくのか、それがどのように人格的存在としての人間の中で機能するのか。「ことば」への深い理解を、発達という視点から与えてくれる一冊だ。
人間が世界に関わる根源語は「我とそれ」「我と汝」の二つだと言ったのはマルティン・ブーバーだが、この本を読むと、そうした世界との関係のあいだに「人」がかいされて、関係が構築され、広がっていくものであるという「三項関係」をとらえる視点を教えられる。人間は、「他者」との関係を軸にして「わたし」を形成する存在なのだ。


教育を専攻していた時代に読んだもの。私自身の人間理解に大きな影響をもった一冊。