6. その他・実践の課題
実施においては各個教会の伝統を重んじてといわれる。ルター派的な穏健で緩やかな実践課題を示している。たとえば、小児倍餐の問題では、子どもがどのくらいの年齢に達したときに初陪餐を迎えるのかというきわめて実際的な課題であるが、これも一応の指針を出しつつ、地域教会の実情から出発するように配慮がなされている。ちょうど、ルターが一種陪餐から二種陪餐の適切性を論じつつも、実際の改革においては、急進的な方法を退けたことが思い起こされる。
また、この指針では、陪餐者のアルコール依存症やアレルギーなど困難がある場合の一種陪餐の可能性も述べている。(UMG44C,D)それを積極的にすすめているのでないにしろ、たとえ一種であっても不十分ではないことをはっきりと述べるのである。これも、ルターの二種陪餐の主張と方向は全く逆ではあるけれども、基本的にルターの考えに沿っているといってよい。[8]
しかし、同時にそのことが現場の中の単純な多様性ということで解決のつかない問題になってきていることも事実であろう。神学のひとりあるきではなく、実践と共に現場から発想する、もしくは現場を神学することが大事なことだと確認したい。
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