ルーテル教会の礼拝を実践的に学ぶためには、ぜひとも手もとに置いておきたい一冊。
日本福音ルーテル教会、日本ルーテル教団が現在用いている「青式文」は1996年に出版されたが、この出版に至る前十数年間は試用版が用いられていた。いわゆる「白式文」だ。その編纂に関わられたのが前田貞一牧師。最終的な「青式文」が決定されていく時にはその委員の役割からはなれられてもいたため、前田先生の思いとは別に「白」から「青」への微妙な変更がなされている。しかし、「青式文」ができてもその公式の解説などは委員会の仕事とはならなかったので、現在の式文の包括的な解説と実践的説明を求めるとすれば、これを読むのが最も良い。先生の礼拝学の深い見識と牧師としてのご経験が盛り込まれ、礼拝について深く学ぶことができる。
私自身、神学校で前田先生に礼拝学を教わったのだが、ちょうど私が神学生となって実習をさせていただいた東京池袋教会で初めは協力牧師として、後には主幹牧師として直接に教会でお世話になった。先生からは、沢山のものを受け取り、学ばせていただいた。主日の礼拝のなかで、先生が式文を用いた礼拝の意味やそこで養われる信仰・敬虔について具体的に教えてくださったことは忘れることはない。
現在、近い将来の式文改定へむけての準備に加わっているが、その時にいつでも現在の式文を振り返り、学ぶことができるのは、この一冊があるからだ。前田先生の貴重なお働きに感謝している。
ルーテルの神学生は手もとに置いておくべき一冊だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿