ルターの「聖徒の交わり」―日本の伝統的霊性との対話
ルターの communio sanctorum 理解の研究ということでは、特別に新しいものではないかもしれないが、この聖徒の交わりを単に信仰における人格的交わりということにとどめず、神様から与えられた賜物すべて、いうなれば被造物すべてに及ぶ概念として見出すことで、救いについての包括的視点を出したことは大事な視点だったと思っている。
そして、そうした神学的な理解を日本人の霊性の問題と対話させたところは、かなり大胆な試みであると思う。こうしたヨーロッパとは違う文化・社会・宗教的コンテキストの中での神学の試みがもともとLWFでの神学コンサルテーションでは課題になったもので、その方法論を論じるものではなく、具体的な取り組みの一例として考えてもらえると良いと発表させてもらったものだ。
もとの発表は、このブログでも紹介させてもらったが、
http://mishii-luther-ac.blogspot.com/2009/05/motoo-ishii-dialogue-between-luthers.html
英文で編集して、発表時とタイトルも変えて、“Luther's perspectives on the communio sanctorum in dialogue with traditional Japanese spirituality” とし、LWFで出版したTransformative theological perspectives. Karen L Bloomquist; Lutheran World Federation(Minneapolis, Minn. : Lutheran University Press, 2009)におさめられている。
ただ、この日本語での内容の方が、より一歩踏み込んだものとなったように思っている。
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