2015-09-18

『スピリチュアルペインとそのケア』


 デールパストラルセンターにおいて、昨年7月に行いましたセンターの創立記念シンポジウムが書籍化されました。(これは、第一回のデール記念講演として行ったものです。)

http://mishii-luther-ac.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html

現代社会において私たちが生と死に真向かうなかで体験している魂の問題を「スピリチュアルペイン」と呼び、それにどのような援助が必要か、可能なのかということを共に考えるシンポジウム、その講演記録とプラスαを本にしました。
 今、どういう葬儀をするのかとか、お墓は必要なのかとか、死装束を纏いお棺に入る体験まであって、いわゆる「終活」がかまびすしく取り上げられています。あれこれと私たちな自分らしい「死に方」を求めているのかも知れません。けれども、「死」というものの本当の恐ろしさに向かい合うときは、実際にはそんなに余裕のある話ではありません。重い病、自由にならない身体をかかえて、次第に向かい合わざるを得ない死の恐ろしい形相を前に、私たちはそれでも生きる最期の「時」をいったいどのようにして生き抜くものなのでしょうか。自分らしく死にたいと思うよりも前に、その時まで自分らしく生き抜かなくてはならないのです。けれども、生きる気力もなくし、不安や恐れにとらわれていく。生きる意味や意義がわからなくなり、不条理を嘆き、死後の不安を抱き、これまでの人生に悔いをかかえる。死と生の背中合わせの隙間には深い闇が張り付いていて、私たちの魂を覆い尽くそうとするのです。
 そして、人は皆必ず死を迎えなければならず、いや実際その刻その刻が死に向かう時間であるわけですから、この生と死の深淵にある魂のいたみを必ずや経験するのです。これは、スピリチュアルペインと呼ばれます。その魂のいたみとは何か、またそのいたみをもつ一人ひとりをわたしたちはどのように支え、サポートして、最期の刻までともに生きる者であり得るのか。
 本書は、この分野で第一人者といわれる三人、ウォルデマール・キッペス先生、窪寺俊之先生、賀来周一先生をシンポジストに招き、皆でまなぶひとときを過ごしました。
その記録+αの書き下ろしで本書を編集することができました。
 是非お求めください。


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