2010-11-17

『さよならエルマ おばあさん』

 この本は、Ministry誌でも紹介された。
エルマおばあさんにかわいがってもらっているスターキティという名の猫が、病気になったおばあさんの最期の一年を見守る記録という形で書かれた写真による記録絵本といえる。
おばあさん本人が自覚をして、「その時」に備えていく。表情、眼差し、愛する人々との関係がありのままに映し出されていく。エルマおばあさんの生きてきた人生を深く感じさせられるのと同時に、哀しいからこそ尊く、切ないからこそ祝福された私たちの限りある生の不思議を想う。


写真家の大塚敦子さんが、偶然の出逢いを通して知りあったエルマおばあさんを「看取り」ながら残した記録は、単なる写真ではなく、その向こうに深い愛の眼差しを感じることができるものだ。
様々なお話しや絵本でも「死」を取り上げるものが見られるけれども、生きられたいのちの重みを静かに受け取りつつ、「死んでいくこと」に寄り添うようにせまっていると思う。

1 件のコメント:

  1. エルマおばあさんの覚悟は、あのサインによって示されている。その覚悟を支えた家族は、本当に「生きること」「死んでいくこと」について、エルマおばあさんとその思いを通わせていたに違いない。いや、そういう「人としての思い」がちゃんと受け取られていく土壌はどのようにして生まれているのだろうか。
    おそらくは、キリスト教的宗教性、その人間理解などが底辺に流れているのだろう。
    ひとりの人の人生の締めくくりを、それに相応しくあるよううに求められる。尊厳が保たれ、またその人らしさが確かに刻まれていく生を実現したいものだ。

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