2018-10-24

「申命記」を読む〜ルーテル「聖書日課」セミナー〜

聖書日課セミナー(10・22−24)


 三日間、軽井沢の地で、聖書日課セミナーを過ごした。
 ルーテル5教団で、共有する働き「聖書日課」の読者とともに、年に一度の集いが守られている。その集いに招かれて、「申命記」をともに学ぶことだった。聖書学の専門でもない私には、いささか荷の重いことでもあったけれど、改めて深い学びに導かれたことだった。
 モーセの告別の説教という形式でまとめられた申命記。
 でも、もちろんそれがいまの形にまとめられていくのは、イスラエルの民がたどった苦難の歴史の只中で、神を求め、信仰を確認する中でのことだった。とりわけ、アッシリアに北イスラエル王国が滅ぼされて、また南ユダ王国がバビロニアの脅威に晒され、やがてこの国も失われる。多くの人が土地を失い、生活を奪われ、いのちの危機に晒されて、信仰を失いかけていく。そういう時代に、神を生きるということがどんな恵みなのか、力なのか。懸命に綴りながら、その恵みに生きるという具体的な生活の姿を律法に表していったのだった。
 彩られるのは、カナンの地に入っていくイスラエルの民による戦いで、主なる神の聖戦という描かれ方。残忍なやり方を神の言葉と受け取るのには、大きな抵抗を感じるだろう。でも、なぜ、そのように描くこととなったのか。
 私たち人間の罪の現実の中で、神の恵みを受け取り、その計り知れないみ言葉の力を、告白的に記していく人間の信仰の歴史性、その限界を見定める必要がある。それでも、そのように描きながら、何を聞き取ろうとしてきたのか。その営みをこそ、私たちは人間の信仰の器として、申命記における神の啓示を知ることができるように思う。
 
 聖書の言葉を、現代に生きる私たちに今一度語りかける神の言葉として聞いていく、その学びをともにさせていただけたことだった。
 
 
 
 

2018-10-11

秋の講演会〝ルターから今を考える” 

今年も、恒例となった、ルター研究所主催の秋の講演会が開かれる。
1118日(日)14時〜 日本福音ルーテル大森教会を会場としての開催だ。



プログラムは次の通り
      ‣小田部進一「宗教改革から500年後の人間の自由と不安と希望」
      ‣レクチャーコンサート「神はわがやぐら」
                 レクチャー 加藤拓未氏 
        演奏 高橋のぞみ氏   


昨年は、宗教改革500年記念という節目であったが、エキュメニカルな交わりの中で、現代世界におけるキリスト教のあり方を問うようにして、この時を過ごしてきたと思う。
501年目を迎えて、私たちはさらに学びつつ、現代を生きる一人ひとりに福音の喜びを伝えていく使命をはたしていかなければならない。そうでなければ、500年が単なるお祭りにだしてしまうだろう。このプログラムを、学びの一助にしていただければと思う。