ルーテル学院大学・日本ルーテル神学校の教授として長年ご貢献をいただき、また付属のルター研究所においては現所長としてお働きをいただいている鈴木浩先生がいよいよ、この2016年3月末をもって定年と迎えられることになります。そこで、以下のように先生の最終講義を予定しております。
鈴木浩先生 最終講義
日時:2016年1月30日(土)13:00〜14:00
場所:ルーテル学院大学ブラウンH 251教室
テーマ:「97箇条のルター」
最終講義の後、懇親会を開催致します。
人数確認ができるように、事前に学校に連絡をいただけますと助かります。
(代表番号0422−31−4611)Email: luther.sfl@gmail.com
先生には、学科長として大勢の学生がお世話になりましたね。特に、各神学校や大学院進学については、多くの学生が指導をいただきました。歴史神学がご専門ですが、大学で学ぶこと、好奇心と意欲をもって一つのことにかじりついて取り組むことを教えてくださいました。授業は、静かに語りはじめながらも途中からはアツイ語りをもって学生に伝えたいオーラが満載。独特の“ため”と“間”が学生の心を引きつけました。
歴史神学、特にアウグスティヌス研究がご専門でいらっしゃいますが、教父研究からの展開で東方教会の歴史と神学についても造詣の深い先生です。また、先生の聖書研究は切り口もするどく、インサイトに富んだ豊かさに多くのファンが魅了されています。
今回の最終講義のテーマは先生のルター研究の一端をご披瀝いただけるものでしょう。鈴木節が楽しみです。
大勢の方にお集りいただき、先生のお働きに感謝申し上げたいとおもいます。
追記:
大盛会でした。130名を超える多くの方々にお集まりいただきました。教室を251から252の大きい教室に変更していましたが、それでも会場は埋め尽くされて、熱心に先生のお話に耳を傾けておられました。
ルター研公開講座や英語聖書の授業を通しての鈴木ファン、また飯田橋で行われている聖書研究会の方々も駆けつけてくださいました。教会から、そしてキリスト教学科の卒業生、牧師たちも先生のお働きへの感謝の思いを先生にお伝えしたく参集されました。
1517年10月31日にウィッテンベルクの城教会の扉に贖宥の効力に関する公開の討論提題を著した「95箇条」はあまりに有名だが、実はその少し前、同じ年の9月3日づけで著した「スコラ神学を論駁する討論」(97箇条)においてルターはすでに宗教改革的神学を明らかにし、その神学を主張しはじめているというところから説き起こされました。
宗教改革の本質を、5世紀のアウグスティヌスとペラギウスとの論争の拡大再生産としてとらえる先生の主張を、緻密な神学的裏付けからお話しになられました。ルターとカルヴァンの神学は、オランジュ公会議以降骨抜きにされたアウグスティヌス神学の急進的で過激な再主張として神学史のなかに位置づけ、「信仰義認」の宗教改革神学を、罪の理解の徹底(原罪論)と、神の恵みの独占的な救いのみ業(予定論)を説くものとしてお話くださいました。Coram Deo (神の前で)と Coram hominibus (人々の前で)の区別を明確にすることで、アウグスティヌスの神学的な境界線を突破したルター神学の神髄を示してくださいました。
1時間ではとても足りない内容でしたが、福音を「鮮やかに、力強く、喜びにあふれて」伝えるための神学と説教、教会の宣教のための神学をお話しくださいました。
先生にはこれからもルター研の所長をしばらくはおつとめいただきます。また、大学・神学校でも非常勤として教えていただきます。そんなに急にいらっしゃらなくなると、私たちは困ります!
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