2015-05-26

2015年神学生修養会「教会と宣教」

今年の神学生修養会が、5月24日のペンテコステの夕から、26日の午後までの日程で行われている。テーマは「教会と宣教」。


 昨年は、三人の現役牧師を招いての修養会だったが、このテーマで、今年はお一人。立野泰博先生をお迎えした。熊本は大江教会で牧会の責任を負うばかりでなく、地元の九州学院でのお働き、東日本大震災の被災地支援、臨床宗教士養成のプログラム、あるいはまた実際のカフェ・ド・モンクの活動にと忙しい毎日。FBやBlogの欠かさぬ更新。全国各地での講演。絵本や紙芝居づくり。そうした一切合切を抱えたまま、なおその貴重な時間を神学生のために用いてくださった。

 大江教会が九州学院教会としての歴史的な性格と立地を持っているところで、どのように若い人たちと地域にひらかれた教会として新しい歩みを作っていかれているのか。
 教会の現状への確かな分析、地域における課題や可能性、教会員との雑談のなかでのヒアリング、確かなリサーチのなかで考え抜き、教会員にも一緒に考えていってもらえるようにワークショップを行う。そうして教会の宣教のヴィジョンを描いていく。そのヴィジョンを実現するのは牧師ではない。教会の人々の心に働きかけ、楽しくみんなでやる。協力が生まれていく。教会の見え方が違ってくる。結果が伴う。
 大胆な取り組みには、きっと色々な問題があるだろうが、すべては神さまの働きの中に用いられるものとの信頼があってこそのことだろう。
 種が豊かなみのりをもたらすためには、その石地を耕し、茨を除き、良い地としての畑にされる農夫のつとめがあればこそ。そんな信仰の姿に教えられるものはいっぱいあった。その農夫に仕える牧師と教会員こそが、まずよく耕され、柔らかくなって、蒔かれた種を成長させないとならないだろう。神学生もこの修養会でたくさん耕された。

 最終日は、先生ご自身の被災地支援の取り組み、そのご経験からお話をいただいた。「となりびと」から「寄り添い人」へ。大きな大きな被害のなかで被災者一人ひとりが、いのちの重みを知り、その生活が根こそぎ奪われ、家族を失い、地域を失い、コミュニティーを失って、どう生きるのか。そこに生きている人々が自分で生きていかなければならなくて、そこに何の力にもなれないという現実を多い知らされながら、なおそこで牧師としてその現場の苦悩に立ち尽くすこと。ここでも先生の経験、また先生が見て来られた多くの被災者、ボランティアの働きの数々から学ぶことができた。
 被災地支援に限らず、それぞれ召され、遣わされていくところで、牧師であることとはどういうことなのか、将来の牧師の卵、神学生たちは重い問いかけの中に投げ込まれたように思う。

 三日間、この修養会がほんとに恵まれた時間であったことを、感謝!

 
 


2015-05-09

JATE 日本神学教育連合会 総会

 毎年、この時期に琵琶湖のほとりに出かける機会が与えられている。「日本神学教育連合会」(Japan Association of Theological Education)という、少し堅い名前の団体の総会が同志社大学のリトリートセンターで行われるのだ。全国にある、プロテスタント教会、カトリック教会の神学教育機関、つまり牧師さんとか神父さんを育てる神学校とか大学の神学部などの連盟だ。教派は違うけれども、それぞれに日本でのキリスト教の宣教を担う教職養成の責任にある人たちが集うユニークな集まり。


 現在加盟している学校は17校、これにオブザーバーとして2校が参加している。大きなミッション系大学の神学部であったり、また教派神学校であったりと様々だが、互いに今日の日本の教会の現実を背負いながら、教育と研究に従事する立場にあって、共通する問題や課題に向かい合っていることを確認し、自ずと共感し合えるものがある。教会の宣教の困難さや、少子高齢化する教会の現状。若い人たちの信仰についての意識。神学教育を担う後継者養成の問題など。
 閉会のデヴォーションでは、キリストが私たちのためにそのいのちを注ぎ、友とし、新しい神のみ業に参与させてくださる恵みについてのみことばを取り次いでいただいた。感謝!
 このJATEは、さらに韓国の神学校連盟、台湾の神学教育の連盟などと北東アジアの神学校の連盟を組織していて、国際的な交わりを構成している。ここ数年はこの国際的な交わりが有名無実になってきていたが、今、再開の方向を模索しはじめている。韓国の神学校連盟が再開に積極的なプロポーズをしてきたのだ。
 日本の教会も神学校も今は自分の足下ばかり見つめている。財政的にも人材的にも苦しい。けれど、神の宣教のみ業がこのアジアに、また世界にどんな大きな流れを生み出しているのか、またその流れの中に私たちが位置付いているのか、私たちはもっと大胆に飛び込んで味わってみてもいいように思った。
 


2015-05-08

2015年度 牧師のためのルターセミナー


今年も下記の要領でルター研究所主催の「牧師のためのルターセミナー」がひらかれる。
教派を問わず、ルターについて、宗教改革について学びたいと思われるかたは、是非ご参加ください。今回は、特に「アウグスブルク信仰告白」を題材にしますが、ルーテルにおけるエキュメニズムに関わる議論がなされそうです。
実際にも豊かな交わりが与えられ、牧会のことや宣教のことも語り合うこともできますし、リフレッシュできると思います。



日程:2015年6月1日(月)午後3時から6月3日(水)正午まで
 会場:まほろばマインズ三浦(京浜急行三浦海岸駅すぐ近く)
 主題:「宗教改革500年とわたしたち」(第三回)……『アウグスブルク信仰告白』
 費用:2万5千円(宿泊、食事、資料代込み)

原則として全期間の参加をお願いしますが、部分参加を希望される方はご相談ください。
                                                         
1) 発題と討論
1.CAに見る信仰義認とエキュメニズム          ……石居 基夫 
2.CA5、7、8条にみる教会とその職務         ……江藤 直純
3.CA16条における「正しい戦争を行う」の諸問題    ……鈴木 浩 
4.CAと和協信条                    ……立山 忠浩 
5.エキュメニズムの未来                 ……江口 再起
6.信仰告白と宣教……公同の宣教に参与する        ……宮本  新

2) 書評『争いから交わりへ』(バチカン・LWF共同文書)
 ……高井 保夫
 
3) 宗教改革500周年をめぐる討論        ……参加者全員
                   
*「まほろばマインズ三浦」までのアクセスはホームページで検索してください。
*参加申し込みは直接、ルター研究所(鈴木)まで