2010-07-06

100万回生きたねこ



「人間・いのち・世界」の授業では、いろいろな素材を用いて、「いのち」や「人間」について考えてきた。その中で取り上げた絵本が「100万回生きたねこ」であった。いろいろな飼い主のもとで、いろいろな猫として100万回も生きてきた猫が、はじめて生き返ることなくそのいのちを終えていくことになった。それは、いったいなぜなのか。学生からもらうリフレクションでは、本当にさまざまな意見が寄せられた。
初めて、この猫は「誰の猫でもなく、自分自身であった」から、とか、「自分を大好きだったこの猫が自分の納得いく生き方を初めて見いだした」からとか、「白い猫」を愛した猫がもう新しい猫になる必要がなくなったからだとか。もちろん、正解はない。
この作品を通して、私たちは生きるということの深いふかい問いを自らに問う。そこから、たったひとつの答えを自分のことばとして紡ぎだすことが大切なのだ。