今年も、日本ルーテル神学校では、2月の13〜15日の二泊三日で教職神学セミナーを開催する。今回のテーマは「平和:現代世界への宣教の視点から」とした。
宗教改革500年の節目をそれぞれに憶えて、私たちは時代の苦悩に応える福音宣教への思いを新たにしてきた。そして、11月23日、長崎で行われたカトリック教会と日本福音ルーテル教会の共同記念では「平和を実現する人は幸い」をテーマとして現代における宣教的課題に共同・協働していくことが憶えられた。今、ポスト500年を迎えて、あらためてこの課題にしっかりと向かい合っていきたいと思っている。
現代の深い苦悩は、世界全体のなかにうまれてきた格差の深刻さが原因となり、人間関係が深く傷つけられ、切り裂かれていることに由来する。自分を守るために、他者を排除し、あるいは自分に都合よく他者を支配、利用しようとする。そこに対立も分断もうまれてくることになる。ナショナリズムということばかりではなく、なにか行き場の無い怒りのようなものが渦巻いていて、自分ファーストでなぜ悪いと開き直る。共に生きる隣人を選び、限定して、身近な苦悩に目をつぶる。
「民は民に、国は国に敵対」し、あるいはテロや戦争の影が身近に迫っているかに騒がれるけれども、それ以上に、日常的に人々のいのちや人権がないがしろにされるような現実が見出されている。いじめや虐待、ヘイトスピーチ。ハラスメント、ネット上の炎上や「たたき」なども、じつは平和を崩壊させていく私たちの深刻な内実だ。
私たちの宣教と牧会の現実にどのように向かい合うのか。いったい、どのように平和をつくりだし、いのちを守る、私たちの福音宣教の意義と可能性を見出すことができようか。
基調講演:宮本 新(日本ルーテル神学校) 「現代の宣教と『平和』」
聖書研究:大串肇 (日本ルーテル神学校) 「平和」旧約聖書から学ぶ
原口尚彰(フェリス女学院) 「平和」新約聖書から学ぶ
講 演:望月康恵(関西学院大)「平和と人権:ジェンダーの視点から」
内藤新吾(ルーテル稔台教会)「教会と平和」
藤原佐和子(東北学院大)
「平和の使者を育てる: アジアにおけるエキュメニカル教育に向けて」
ルーテル教会の教職者は、それぞれの教団、教区での申し込みをお願いしたい。
ルーテル以外の諸教会からも是非一緒に学んでいただければと、願っている。
ルーテル外の方は三日間全日程参加で2万円の参加費となっている。(宿泊別)
問い合わせはルーテル学院までお願いしたい。
詳しい日程は、以下のとおり。
テーマ「平和:現代世界への宣教の視点から」
2月13日(火)
15:00〜15:30 礼拝
16:00〜17:30 基調講演「現代の宣教と『平和』」
宮本 新(日本ルーテル神学校 専任講師)
18:00〜 レセプション
14日(水)
午前
9:00〜9:15 デボーション
9:15〜10:30 「旧約聖書神学から『平和』を学ぶ」
大串肇(ルーテル学院大学教授)
10:45〜12:00 「新約聖書神学から『平和』を学ぶ」
原口尚彰(フェリス女学院大学教授)
昼食・休憩
13:30〜15:00 「平和と人権:ジェンダーの視点から」
望月康恵 (関西学院大学教授)
15:30〜 分科会:「平和」をめぐる説教と牧会
4グループに別れて
15日(木)
9:00〜10:15 「教会と平和」
内藤新吾(日本福音ルーテル稔台教会牧師)
10:30〜12:00
「平和の使者を育てる: アジアにおけるエキュメニカル教育に向けて」
藤原佐和子(東北学院大学 専任講師)
昼食・休憩
13:30〜14:30 まとめ 石居基夫 (日本ルーテル神学校校長)
14:30〜15:30 派遣聖餐礼拝
説教 齋藤衛(日本ルーテル神学校准教授)